有田と週刊プロレスと
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コラム

2017/03/25 (土)

【インタビュー】田中ケロさん(リングアナウンサー/『有田と週刊プロレスと』ナレーター)

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『有田と週刊プロレスと』のナレーターを務めて頂いているリングアナウンサーの田中ケロさん。ケロさんは1980年から2006年まで新日本プロレスでリングアナをされていましたので、その頃の新日本プロレスを見ていた方は、番組ナレーションの声にワクワクされる方も多いのではないでしょうか?
今回はケロさんに、この番組の見どころや、第1回のテーマとなった「10.9東京ドーム大会」についてなど、色々お話をお聞きしてきました!

■『有田さんならではの切り口が面白い』
――いつもナレーション収録の度に大阪から来て頂いてスミマセン…。ありがとうございます!
【ケロ】:いえいえ(笑)

――早速ですが、当初この番組のナレーターの打診を受けた時は、どのように思われましたか?
【ケロ】:まずは、こういう番組が始まるということに対して、すごいなぁ、ありがたいなぁと思いました。というのも、プロレスファンの芸能人の方や著名な方はいっぱいおられると思うんですが、有田さんはその筆頭じゃないかっていうくらい、プロレスをすごく好きで応援してくださっていますよね。ですから、その有田さんがこういう番組を通してプロレスのことを発信してくださるのは、プロレスにとってはすごくありがたいことだと思うんです。やはり自分もプロレスの世界でずっと育てられてきましたので、素直にうれしかったですね!

――実際に番組での有田さんのプロレス熱弁トークをお聞きになられていかがでしょう?
【ケロ】:有田さんならではの切り口がすごく面白いですよね。それでいてゲストの方にプロレスをとても分かりやすく話されているので、プロレスを昔から好きな方、最近見始めた方、ちょっとしか知らない方、まったく知らない方、どんな方でもきっと素直に入っていけると思います。本当にすごくうまいなぁと感心しながら見ています。


■『10.9は色んな意味でプロレス界を変えたんですよ』
――番組の記念すべき第1回では、1995年の新日本プロレスとUWFインターの対抗戦「10.9東京ドーム大会」を取り上げました。この大会もケロさんがリングアナウンサーをされてらっしゃいましたよね?
【ケロ】:そうですね。自分は1980年から2006年まで新日本プロレスでリングアナをやっていましたので、ちょうどド真ん中です。この大会はものすごく世間を湧かせたというか、注目を集めた一戦でしたね。実はこの大会をきっかけに、プロレス界って色んな意味で変わったんですよ。

――「変わった」と言いますと…?
【ケロ】:それまでプロレスは、東京スポーツさん、大阪でいうと大阪スポーツさん、そしてデイリースポーツさんが少し載せてくれるくらいだったんですが、この大会は他のスポーツ紙も全部取材に来て、一面になったりもしたんです。それが結構売れたらしくて、これ以降、日刊スポーツさんもバトル面をやるようになったんです。プロレスを伝えてくれるメディアが増えるというのは、プロレス界にとってはもちろんすごくいい出来事で、10.9は「時代を変えた日」と言ってもいいくらいです。そう考えると、10.9を第1回で取り上げたこの番組も、もしかしたらプロレス界の新たな伝説になるかもしれないですよ!

――ありがとうございます(笑) そうなれるよう頑張ります!
【ケロ】:はい、ぜひ頑張ってください。


■『武藤が勝った時のお客さんの爆発のしようといったら…!』
――実際、10.9東京ドーム大会はどうでしたか?
【ケロ】:当時団体同士っていうのは、お互いにものすごくライバル心を持っていたんですよね。他の団体には負けたくないっていう、競い合いの気持ちが強かったんです。特にUWFというのは、新日本プロレスから派生した団体でしたので、新日本の人達からすると、「オレたちが本家だ!」「絶対に負けたくない!」っていう気持ちがものすごく強い戦いだったんです。会場全体もやはりいつもと違う雰囲気でしたので、それぞれのファン同士の間でもきっと小競り合いがあったんじゃないかと思います。

――確かに、写真や映像からもピリピリ感が伝わってきます。ちなみに、この対抗戦で一番印象に残ったのはどの試合でしたか?やはりメインですかね?
【ケロ】:武藤vs髙田のメインイベントはもちろんすごかったのですが、あの大会は第1試合でお客さんの心を掴んだと思うんですよね。Uインター対新日本の若手のタッグマッチで、いわゆるイデオロギー対決といいますか、バチバチ感がすごかったんです。お客さんも、最初のあの試合で「これはすごいぞ…!」となったんじゃないかなと。ですので、ポイントは第1試合だった気がしますね。

――となると、メインイベントの武藤さん髙田さんの試合は、ピリピリ感・緊張感も最高潮だったと思うのですが、実際いかがでしたか…?
【ケロ】:リングアナをやっている時は、試合に感情を入れると仕事ではなくなってしまうんですね。ですから一歩引いたところで、お客さんだったり、色んな所を見ながら試合を見ているので感情移入はできないのですが、武藤が勝った時のお客さんの爆発のしようといったら…!!

――やはり歓声の種類が違いましたか!?
【ケロ】:違いましたね!もちろん全員ではありませんけれども、みんな新日本プロレスを応援してくれてるんだというのが伝わって、すごくありがたかったですよね。あの試合で「新日本、やっぱり強いんだ!」というのをファンの方に見て頂けたし、安心して頂けたんじゃないかなと思います。


■『さらにどっぷりとプロレスにハマって頂きたい』
――さて、話は少し変わりますが、最近よく「プ女子」という言葉も耳にしますが、女性のプロレスファンが増えていることについてはどう思われていますか?
【ケロ】:実は、昔から結構女性のプロレスファンはいてくださって、しかもかなり深く入ってくれるファンが多かったんですね。それで言うと、今の女性ファンを見ていると、少し不安ではあります。昔みたいにどっぷりハマってくれる方がいてくれるかな…、時代とともに去っていかないかな…と。自分が業界に入った頃、30年以上前になりますが、その頃の女性ファンは、結婚しても子供さんが生まれてもプロレスを見に来続けてくださっている方が多いんですよ。それくらいプロレスを好きになって、ハマって、プロレスを見て発散して頂ければいいなと思います。

――最近プロレスを見始めたという女性はきっと多いですよね。そういう新しいファンの方が今後も長く見続けるかどうか…ですね。
【ケロ】:はい。1~2年見て飽きたってなるかならないか…。ですが、そこは選手たちが頑張らなければいけないところでもあると思います。心の奥深くまで入っていけるファイトが見せられるか、ファンの方の人生にどこまで入っていけるのか。この番組では有田さんが「人生の教科書」としてプロレスを話されているので、ぜひこの番組を見て、さらにどっぷりとプロレスにハマって頂きたいです。最近プロレスを見始めた方にとっては本当に良い教材だと思いますから!

――確かに、プロレスから学べることって本当に多いですよね。目の前の試合や、選手自身の人生に自分を投影してしまうというか…
【ケロ】:そうなんです。以前どこかの政治家が「田舎のプロレス」みたいな発言をしてプロレスのことをバカにしてましたけど、そういう偏見は取り払いたいですよね。本当に。確かに、お客さんに見せるということは当然エンターテイメント性がないといけない。でも、やっていることは本物ですからね。誰も手を抜いていませんし、選手がどれだけ体を痛めながら、どれだけのものをかけて闘っているか。リング上の闘いと人生をかけた闘いを、ぜひ一人でも多くの方に見て頂きたいです。


■『世界のトップを取ってほしい!』
――最近一番注目している選手はどなたでしょうか?
【ケロ】:自分は昔から(中邑)真輔と仲が良かったんですけど、彼はデビューしてから、その時の流れによって総合(格闘技)をやらされたり、プロレスの基本をしっかり身につけなくちゃいけない時に違う練習をしたりしていましたので、ちょっとかわいそうなところもありましたよね。でも彼は本当にプロレスが好きで、そして今はアメリカで頑張っています。それはすごくうれしいし、絶対に世界のトップを取ってほしいなと思います。あと、自分が新日本にいた時、棚橋もやっぱり一緒にやってきましたから気になります。ぜひ彼には「本当のかっこよさ」をこれから追求していってほしいなと思います。

――「本当のかっこよさ」というと?
【ケロ】:男としての這いつくばるかっこよさ、泥臭いかっこよさ、ですかね。そういうものが出てくると、これからもっとすごい選手になっていくんじゃないかなと思うんですよね。


■『”理詰めの試合”っていうのが好きですね!』
――番組で取り上げてほしいと思うような印象深い大会や試合ってありますか?
【ケロ】:うーん…「この試合」と1つ挙げるというよりも、言うならば「ほとんど大技が出ない試合」ですかね。昔はそういう試合が多かったんです。

――「大技が出ない試合」とは具体的に言うとどういう試合のことでしょうか?
【ケロ】:つまり、基本技を中心に組み立てていって、最後1つか2つの大技で決まるような試合です。そういう試合を見て、今のファンの方がどう思われるか…ぜひ聞いてみたいです。
例えば、三銃士(武藤・蝶野・橋本)でいうと、実は彼らはそんなに大技を持っているわけではないんですよ。少ない技の中で試合を組み立てて、相手を追い込んで、最後に大技で決めるっていうね。もっと古くで言うと、例えば、ザ・デストロイヤーという選手がいるんですけど、足四の字固めが得意なんですね。途中から足攻めにいくわけですよ。四の字固めをかけた時に必ず決まるように、ダメージを与えて、さらにダメージを与えて、理詰めで攻めていって最後に四の字固めにもっていくという。逆に相手はそれをさせないようにどう逃げていくかっていう。いわゆる詰め将棋と同じですよね。詰めていく、逃げていくというね。噛めば噛むほど味が出る…みたいな試合なんです。細かいところを見ていくと本当にすごい攻防っていうのがあったりするんですよ。
我々オジさんにはそういうプロレスが好きな人も多いと思うんですけど、今の若い人が見た時にうけるかどうかはわかりません(笑) でも”理詰めの試合”っていうのが自分は好きですね!そういった攻防が面白いんですよ!

――なるほど。奥が深いですね…!
【ケロ】:技の的確さとタイミングがすごく重要で、例えば、初代タイガーマスクって、よく飛んでる印象がありませんか?実はそんなにたくさん飛んでないんですよ、試合を見返してみると。動きとタイミングだけなんです。そんなに大技もやっていないし。それがあんなに伝説的になっているのは、技を出すタイミングだったり、完成度の高さですよね。それが印象に残っているわけです。最近のプロレスと、そういうプロレスを見比べてみるのも面白いかもしれませんね。


■『プロレスの歴史を見てきた雑誌であると同時に、歴史を作ってきた雑誌でもある!』
――ところで、ケロさんが業界に入られた頃は、まだ「週刊プロレス」ではなかったですよね?
【ケロ】:そうですね。自分が入ったころはまだ「月刊プロレス」だったと思いますね。そこから女子プロレスの人気が出てきて「デラックスプロレス」という雑誌が出て、それから「月刊プロレス」が「週刊プロレス」に変わって。

――「月刊」から「週刊」に変わったことで、やはりプロレス界へも影響がありましたか?
【ケロ】:月1回しか出ない「月刊プロレス」に対して、「週刊プロレス」は月4回出るので、掲載される情報量が増えましたよね。実はこれが、プロレス界で色んなプロレス団体が作られるようになった1つの要因でもあると思うんですよ。つまり、昔は小さな団体を立ち上げても「月刊プロレス」に載るのは難しいですよね。ところが、週刊になったことで、月刊の頃に比べて色んな記事を載せてもられるようになりました。それが、団体が増えてきた要因ではないかと思います。ですから、「週刊プロレス」というのは、プロレスの歴史を見てきた雑誌であると同時に、歴史を作ってきた雑誌でもあるんです。そしてこの番組は、その「週刊プロレス」を扱っているわけですから、プロレス界に新たな歴史を作るかもしれませんよ!(笑)

≪了≫


■田中ケロ
1980年新日本プロレスリングアナウンサーとしてデビュー。愛称はケロちゃん。試合の前口上が有名で、新日本プロレス黄金期を支えた一人。現在はIGF、大日本プロレス、シュートボクシングなど格闘技をはじめ、ももクロなどのアイドルのコンサートでもマイク口上で会場を魅了している。

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